『キャッツ』広島公演@上野学園ホール
11月11日(月)より、約12年ぶり、3度目となる『キャッツ』の広島公演が開幕! 劇団四季の中でも上演回数がトップクラスの『キャッツ』は、これまでの観客動員数も1,122万人にのぼるという大人気ミュージカル。時代とともに進化し続けるこの舞台が再び広島にやってくるということで、開幕に先駆け舞台仕込み取材会がおこなわれた。
登壇したのは、1983年の日本初演から舞台美術を担当している広島県廿日市市出身の土屋茂昭氏と、舞台監督・村田舟氏。舞台装置や本作の世界観、デザインなどについて、細かく解説してくれた。
物語の舞台は都会のゴミ捨て場。ステージ上だけでなく、客席の隅々にまでゴミのオブジェを設置したり、舞台装置を設営したりすることから、「全1,861席あるところ、席を撤去して1,436席に。さらに猫たちの通り道も作っておりまして、その数は53カ所になります。通常のミュージカルと違い、『キャッツ』は驚くような場所から猫たちが出てきますので、それも楽しんでほしいです」と村田氏が説明。
また、その世界観を表現するため、猫の目から見た大きさ=実物の3~5倍サイズにした巨大なゴミは、土屋氏いわく「数えたことはないけれど2,000~2,500個ぐらいはあると思います」とのこと。「スタッフがアイデアを出し合い、40年かけて作ったり修理したりしたものたちです。でも実は、1983年の初演前に飾ろうとしていたのは紙やプリントして作れるものなど、とにかく大量生産できるゴミでした。初演3週間前に、劇団四季創立者である演出家・浅利慶太が様子を見に来て「必要なのは大量生産のゴミじゃないんだよ!」と言いまして。そこから急いで作り直し、当時いろんな一点物のゴミを生み出したんです」と続けた。
会場内は、そんな多くの〝一点物のゴミ〟で溢れているものの、どこかあたたかく、懐かしい気持ちにさせてくれる。土屋氏は「ゴミというのは、ある人にとっては思い出でもある。一つひとつのゴミに大切な〝メモリー〟が込められていると思って作っているので、観客の皆さんにも自身の思い出をたどる寄りどころにしてもらえたら。キャッツ・ワールドという濃密な空間で、お客様それぞれの〝メモリー〟を持ち帰っていただけるとうれしいです」と、代表曲『メモリー』になぞらえながら、その想いを話してくれた。
今回は、広島で初めて登場するシーンがあったり、新しくなった楽曲を披露したり、前回と違う点もいろいろあるのだとか。進化を遂げた『キャッツ』、期待を胸に観に行こう!
公演名:劇団四季 ミュージカル『キャッツ』
期間:11/11(月)~2025/2/23(日)
会場:上野学園ホール
問合せ:劇団四季
電話:0570-008-110
チケット情報は劇団四季公式HPへ
https://www.shiki.jp/