映画のまち・尾道の祭典が開幕!
映画のまち尾道を舞台に、作品上映やトークイベントなどが行われる「第8回 尾道映画祭2025」が、尾道市『しまなみ交流館』、『シネマ尾道』、『まちなか文化交流館Bank』など中心部各所を会場に開催された。会期は1月24日(金)の前夜祭から、25日(土)・26日(日)まで。初日にはオープニング作品として、「PERFECT DAYS」を上映。販売開始後2時間で完売したというチケットを手に訪れた約600名が、作品を堪能した。
尾道市『しまなみ交流館』に役所広司さんが登壇!
静謐な美しさに包まれた作品の上映が終わると、会場からは力強い拍手が! さらにその直後、この作品でカンヌ国際映画祭最優秀男優賞を受賞した主演の役所広司さんが舞台に登場すると、観客からはよりいっそう大きな拍手が起こった。映画「PERFECT DAYS」が描くのは、役所さんが演じるトイレ清掃員・平山の日常だ。メガホンを取ったのは、尾道ロケの映画「東京物語」の小津安二郎監督を敬愛するドイツの名匠ヴィム・ヴェンダース監督。「東京物語」に出てくる、笠智衆さん演じる老父の役名も「平山」で、監督の小津作品への思いがうかがえる。
作品や尾道の印象について
役所さんはこの役を演じるにあたって「海外の人たちが観たら、プロの清掃員を雇ったのだなと思われるくらいよどみなくできるように、みっちり清掃を教わった」とのこと。司会者から「平山さんと役所さんは似ている?」と質問されると「全然違う。僕は欲深いので、平山さんのような〝足るを知る〟人間ではないです」と笑いを誘った。また、役所さんは今回の来訪で尾道市街を散策したそうで、「どこを取っても画になるまち。いろんな映画人がここで撮ったのがわかる」と語っていた。
尾道の各所で上映やトークイベントを開催
25日(土)は『しまなみ交流館』で、尾道と鞆の浦が舞台のアニメ映画「蒼穹のファフナー BEHIND THE LINE」を上映。『シネマ尾道』では映画「i ai」が上映され、監督のマヒトゥ・ザ・ピーポーさんと主演の森山未來さんがトークをおこなった。また、『まちなか文化交流館Bank』では、大林宣彦監督作品のポスターを展示するなど、市街各所で映画上映や関連イベントが開催された。
シンポジウムも大盛況!
25日夜には、『ONOMICHI U2』にて、「尾道映画祭2025シンポジウム」を開催。俳優の井浦新さん、福山市出身の毎熊克哉さん、林知亜季監督、奥山大史監督が登壇した。会場に詰めかけた映画ファンが、会場中央の登壇席を何重もの円形で取り囲む形で賑わった。日本映画の現在と未来、尾道映画祭のこれからといったテーマについて、言葉を選びつつ丁寧に、熱く答える姿が印象的。映画を愛する作り手とファンが目線を合わせて語らうことができる、濃密な時間となった。