ブライダルジュエリー専門店『フィオレフジイ』を営む、夫の藤井雅之さんと、妻の千代子さん。
店内は二人のお気に入りアイテムを集めた温かい雰囲気。

出会った頃の気持ちを大事に

千代子さん(妻)  いろんなカップルさんが来店されるけど、中にはびっくりする出会いのエピソードをお聞きすることもあるよね。

雅之さん(夫)  印象に残ってるのが、男二人で飲みに行ったんだけど1軒目が満席で。たまたま入った2軒目の居酒屋で、店員の女性と意気投合。実はお互い「いいな」とは思ってたんだけど、店では特に何もなくて。帰宅するのに電車に乗ったら、偶然降りる駅が同じでまた会って、それで話したのがきっかけ、っていうカップルさん。それは「運命だなあ」って思った。

千代子さん それ、すごいね。1軒目に入れてたら、出会わなかったかも知れないんだ。思わぬ所にも出会いがあるんだね。

雅之さん プロポーズのきっかけも、いろんな形があるなあって思う。つきあい始めてたった半月で、彼の海外転勤が決まった、って二人とか。「正直、別れも考えたんじゃない?」って聞いたら、彼女が思い出して涙ぐんじゃって…。

千代子さん でもそこで、ちゃんと考えて乗り越えて、結婚しようと思ったんだね。

雅之さん 僕はお客さんに、「プロポーズに指輪は必須ってわけじゃないよ」っていつも言ってる。ただ、何かしら記憶に残せるものはあった方がいいと思う。それが何であっても、彼が彼女を喜ばせようと選んでくれたもの、ってことが大事なんだよね。

千代子さん  確かに、思い出に残るものがあったら、それを見て、結婚を決めたときの幸せな気持ちを思い出すことができるよね。

雅之さん うん。その最初の気持ちに時々立ち返って、また相手を思い遣れたらいいなと思う。