〈８月号特集〉「マンガ島」って何なんだ！？

編集部の桑田です。
僕カメラマンなんですが、今、ひとりで瀬戸内海に浮かぶ高井神島の港にいます。

ミーハーカメラマンが愛媛の離島に単独潜入レポート！

なぜこんなことになったのかと言いますと、数週間前、一本の電話がかかってきまして、受話器の向こうから聞こえてきたのは、編集長・おっきーの声。「桑田さん！桑田さんだったらしっかり取材してきてくれると思うんで…いま話題になっている〝マンガ島〟こと高井神島に行って、カメラマンの目線で面白い記事書いてください！！」…とまぁ、そんな風におっきーにうまくおだてられて、その気になっちゃいまして。
正直、マンガに詳しいわけじゃないんですけど、「面白そう！」と思ってしまい、編集スタッフもいないなか因島の土生港から高速船に乗り込み、こうして島に降り立っているというわけです。

いつもとは違う、なんとも言えない「ザワ…」とした緊張感。このマンガ島取材、いったいどうなるのか！？ぜひ「刮目」して見ていただきたい！※byカイジ

まず何より、晴れてよかった！
島の取材で曇天だけは避けたかったので、ひとまず写真の心配はナシ。その代わり、とにかく暑い！！！こんな日はキンキンに冷えたビールが飲みたい…なんて思いながら、とりあえず目についたものから、パシャパシャとシャッターを切っていきます。

フィルムシミュレーションは「REALA ACE」をセレクト。夏の島には最適な設定 ※わかる人にしか伝わらない情報

まず、船の上からも見えていた数々の壁画。

港に着いて間近で見ると、その迫力に改めて圧倒されます！！

空き家や公共施設の壁に描かれた漫画家たちの作品たち。
驚くほど緻密に描かれていて、まさに〝マンガ島〟と呼ぶにふさわしい、ファンにはたまらない場所になっています。
個人的にテンションが上がったのは、GTOとカイジの壁画。「おぉ！！」と、思わず声が漏れてしまいました。

もし島にバイクが乗り入れできたら、GTOの壁画の前で撮った写真、絶対に映えるはず…と、勝手に妄想しながら次のポイントへ。

島唯一の食事処『まんが亭』で海と壁画を眺めながら、キーマカレーを実食！

海と強い日差し、そして壁画に囲まれながら、程よい辛さの中に素材の甘みも感じられるカレーを食べて、まさに画に描いたような「夏」を満喫♪

そこにプラスしたのはキンキンに冷えてやがるノンアルコールビール（仕事じゃなければ普通のビールも飲みたかった…）。「カレー⇔ビール」の反復動作で、私の口内は「悪魔的だぁ！！！」※byカイジ（2回目）

食事を終えて完全に整った僕は、マンガ島の現地責任者である馬場さんにマンガ島について伺うことに。

約2年前にマンガ島へ訪れた時に魅了されて、すぐに移住を決意したという馬場さん。家族4人で愛知県から来られたと…その決断力、僕も見習いたい…！

島おこしの一環として「人口減少を食い止めたい」という思いを持った、島民で前自治会長の木村さんと、その友人である実業家の長谷部さんが声を上げてスタートした〝マンガ島〟。
長谷部さんの友人で『Dr.コトー診療所』の作者、山田貴敏先生に依頼したところ、快く原画を提供してくれたそう。その原画を見ながら、看板屋さんが泊まり込みで壁に画を描き、第一弾となる巨大な壁画が島の公民館に完成！

反響が大きく、山田先生も感激されたことを受けて、海から見える壁という壁に漫画を描こうという話が上がり…。山田先生の紹介などもあり、今では有名漫画家さんによる40点近くの作品が壁画となって描かれています。自分の作品もマンガ島に描いてほしいという逆オファーもあるようで、この島が有名漫画家のステータスの場にもなりつつあるとのこと。

7名から11名へと島民が増え、15年以上子どもがいなかったこの島に元気な声が響くことで、島民の木村さんはエネルギーをもらっているといいます。