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【WEB限定レポ】映画『宝島』大友啓史監督&主演・妻夫木聡が来広!

Wink編集部

戦後のアメリカ統治下の沖縄を舞台に、史実に記されない真実を描き、第160回直木賞を受賞した真藤順丈の同名小説を実写化した映画『宝島』。9月19日の全国公開を前に、大友啓史監督と宣伝アンバサダーに就任した主演・妻夫木聡が全国宣伝キャラバンで広島市へ! 平和記念都市・広島で次世代を担う若者に本作を通じていろいろな想いを伝えたいと、崇徳高校新聞部との公開記念取材会が行われた。

1949年創部、日本有数の伝統クラブとしてG7広島サミットなど国際的な会議の取材実績もある崇徳高校新聞部。今回は事前に映画を鑑賞し、感想と質問をたずさえて、大友監督・妻夫木との取材会に臨んだ。

始めの挨拶で、約40名の生徒を前に「学生の皆さんの言葉は僕らの心にストレートに響いてきます。事前に皆さんからの感想や質問を見させてもらいましたが、もうすでにグッとくるものがあって、本当に感動しております」と妻夫木。

続いて新聞部の代表として、部長補佐を務める3年生の生徒が挨拶。「上映時間が3時間に及ぶ膨大な内容にもかかわらず、すごく心を動かされました。特に終盤でグスク(妻夫木)とレイ(窪田正孝)が想いをぶつけ合うシーンは本当に心を引きつけられました。他にも作品の随所に監督や俳優陣のこだわりが感じられて、お二方にお会いできるのをずっと心待ちにしておりました」との言葉に、大友監督・妻夫木も思わず笑顔に。

続いて行われた、新聞部員からの質問タイム。

「沖縄を描くうえで、難しかった点やこだわった点は?」との質問に、大友監督は「沖縄の人間ではないので、知らないことを追求し、自分のものとして表現していく難しさがありました。正解が分からず、記憶も人によって違うから。それを自分が表現者として皆さまにお届けできる形にするには、ある種ギリギリまで調べたかどうか、もうそれで何か間違いが出てもごめんなさい!って言えるぐらい、自分が納得のいくところまでやれたかどうかが大事」と返答。それゆえに、学校に飛行機が落ちるシーンも「どうやって再現しようかと。スタッフみんなで必死になって穴を掘ったけど、美術監督はこんなんじゃない!と言って、何回も穴を掘り直したんです。本当はどういう有り様だったのか? 今回の作品はできる限りそこにこだわりました」と語った。

米軍基地から物資を盗み、住民に分け与える〝戦果アギヤー〟の一人として少年時代を過ごしたのち、刑事となったグスク役を演じた妻夫木。「役作りのために、どんな工夫や研究をされましたか?」との質問に、「まず土地を知ることが大事と思いましたね」と返答。「映画『涙そうそう』に出演した縁で、沖縄にいっぱい親友がいて。多少なりとも知っている部分はありましたが、改めて沖縄を知ろうと思い、いろんなことを勉強しました。そんな中、親友が連れて行ってくれた『佐喜眞美術館』で丸木位里・俊ご夫妻が描いた「沖縄戦の図」を見た時に、涙して動けなくなってしまって。知ることも大事だけど、僕自身がグスクを演じる上で一番大事なのは〝ちゃんと感じること〟だったんじゃないか」と思い至ったという。「その時初めて、僕の中に本当の意味での演じる覚悟ができた気がしました。その後も何回か見に行かせてもらって、心の支えにしていましたね」

終始なごやかなムードの中、生徒たちからの質問一つひとつに、同じ目線に立って真摯に答えた2人。最後の挨拶では、大友監督が「僕も中高生ぐらいの時、新聞記者に憧れる時期がありました。新聞作りは、一つの出来事をいろんな側面から見て、いろんな話を聞いて、本当の事はどこにあるんだろう?ということを探していくところにあると思います。今日の皆さんの問いかけから、そういう志や想いが伝わってきて、僕もこの映画を届けるために頑張ろう!という気持ちになりました」と率直な想いを語った。続いて「今日はこういう場を作ってくださって、本当に感謝しています…」と話しながら感極まった妻夫木。「最近、涙もろくなっちゃって…(笑)。皆さん、日頃から広島の原爆について取材されていると思いますが、沖縄でこういうことがあったと知れて良かったという感想が多かったんです。僕自身、この映画に関わるまでは知らないこともあったけど、やっぱり知らなきゃいけないことなんですよね、僕たちが生きる中で。沖縄のアメリカ統治下の時代を描いた作品だけど、日本の話でもある。みんなでこれから未来へ希望を託していこうという、一人ひとりの想いがきっと希望の光になっていくと僕は信じています」と結んだ。

最後はみんなで記念撮影。

報道陣のカメラを前に緊張する生徒たちに「みんな、笑ってる?」と大友監督、「僕らはいつもこんな仕事してるんだよ~。さあ、笑って~!」と妻夫木。

そして、約40名の生徒一人ひとりに、妻夫木が宣伝アンバサダーの名刺を手渡し。笑顔で握手して締めくくった。

映画『宝島』の公開は、9月19日。混沌とした時代を全力で駆け抜けた若者たちの姿を圧倒的な熱量で描いた、衝撃と感動のエンターテインメント大作をお見逃しなく!


Cinema

Ⓒ真藤順丈/講談社 Ⓒ2025「宝島」製作委員会

9月19日(金)公開 『宝島』

1952年、沖縄がアメリカだった時代。米軍基地から奪った物資を住民らに分け与える〝戦果アギヤー〟と呼ばれる若者たちがいた。いつか「でっかい戦果」を上げることを夢見る幼なじみのグスク(妻夫木聡)、ヤマコ(広瀬すず)、レイ(窪田正孝)の3人。そして、彼らの英雄的存在であり、リーダーとしてみんなを引っ張っていたのが、一番年上のオン(永山瑛太)だった。全てを懸けて臨んだある襲撃の夜、オンは〝予定外の戦果〟を手に入れ、突然消息を絶つ…。

監督:大友啓史
原作:真藤順丈『宝島』(講談社文庫)
出演:妻夫木聡、広瀬すず、窪田正孝、永山瑛太ほか
配給:東映、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

作品公式HP:https://www.takarajima-movie.jp/

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